先週木曜日(5月29日)、
ぼくの所属する広島北ロータリークラブ例会にて、
「NPO法人瀬戸内里海振興会の活動」と題した卓話
(小講演をこのように呼ぶ)
を行わせていただいた[わーい(嬉しい顔)]

卓話中のぼく[カメラ]
(パワーポイントの画面を見ながら・・・)
sDSC07246.jpg

同クラブの会報(週報)に乗せるために
卓話の概略について原稿を書いた。
少々長いですが、一読いただければと[目]

NPO法人瀬戸内里海振興会は、瀬戸内海環境保全特別措置法制定30周年、自然再生推進法制定を機に、平成15年に設立されました(法人化は平成16年)。瀬戸内のふるさとの海である「里海」の保全、再生、創造、そして地域の活性化を目的としています。

 「里海」(さとうみ)は人の手を入れて海を豊かにしながら、海からの幸を人間が受け取るという考え方であり、日本発のすばらしい概念です。漁業者と環境団体が対立する欧米などに新しい考え方を提供するものであり、今や「カラオケ」同様、日本発の国際語となっています。 

 当会は、これまでに小学生などを対象にした「海辺の自然学校」を20回開催したり、尾道市などで国や県によって再生された人工干潟の保全活動を漁業協同組合などと協力しながら行っています。また、人工海浜の坂の浜辺では、広島工業大学生と協働で海浜植物の再生実験を行いました。

 昔の瀬戸内海は、陸と海の間には、海浜植物→干潟→藻場というものがあり、また、山→川(地下水)→海の循環が保たれておりました。それが美しくて豊かな瀬戸内海を作り上げていました。すなわち、森から流れてくる栄養素などにより植物プランクトンが育ち、それを動物プランクトンが食べ、それを小さな魚が食べ、さらにそれを大きな魚が食べるという循環がありました。森の腐葉土には鉄を酸化させないフルボ酸がたくさんあり、植物プランクトンに元気を与えています。

 約30年前のデータですが、単位面積当たりの漁獲量は、瀬戸内海は地中海に比べて約25倍もありました。その理由は、森と鉄の豊富さです。そして上記の食の循環です。

 私たちは、数々の埋め立てや岸壁などの構築によりこうした循環を壊してきました。今日、人間の生活と自然環境の調和が求められており、人の力により自然環境の保全・再生・創造をもたらそうという試みが行われているのです。

 私は能美島出身であり、海はいつも生活の一部でした。平成17,8年ころに、能美島が採石事業により削られていることに心を痛め、何とかしたい一心でこの会の活動に加わりました。当初は異端児的存在でしたが、徐々にみなさんの理解を得、昨年6月から理事長を拝命しております。お陰様で、能美島を削る採石事業は終焉過程(防災・緑化過程)に入っています。

 瀬戸内海は、私たちに生活の幸と精神的な安らぎを与えてくれます。
 私たちの「さとうみ」活動へのご理解とご協力をお願いします。

ご一読、ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)] 

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