「週刊東洋経済」の最新号のトップから4頁分,
東京の某法律事務所が,「顧問料月3980円」として,
大々的な宣伝を行っている(旧日弁連報酬規定では,
事業者については月5万円以上とされていた)。

中身を読むと何のことはない。

多くの事務所が行っている顧問契約は
面談や電話,メールなどでの相談,そしてちょっとした
事案の解決は,すべて顧問料の中に入っているが,
この某事務所では,これらはすべて有料というのだから。

その有料料金について,こういう。
「一般に,法律事務所に相談した場合の報酬は1時間
あたり2万1000円以上,弁護士のタイムチャージは
1時間あたり3万1500円以上とされるが,
(某事務所なら)法律相談料は1時間あたり9450円,
弁護士のタイムチャージは1時間あたり1万8900円と
割安だ。」

消費者を騙してはいけない。
「一般に,(相談料は)1時間あたり2万1000円以上・・」
と言っているが,データによると,
1時間あたり1万円以下が,91.8%にも及んでいるのだ
(日弁連発行「2008年アンケート結果版 アンケート結果
にもとづく市民のための弁護士報酬の目安」)。
決して,「一般に,法律相談料は1時間あたり
2万1000円以上」ではない。

また,タイムチャージも,一般市民事件(渉外事件除く)
では,1時間あたり2万円以下が76.7%であり
(上記日弁連データ),
決して「一般に,1時間あたり3万1500円以上」
ではないのである。
(なお,日弁連の2010年3月~6月の調査では,
1時間あたり2万円以上3万円未満が最も多く(36.5%),
平均は,東京で3万7000円,大阪・愛知で2万3000円,
高裁所在地で1万8000円,高裁不所在地で1万4000円
と地方によりバラバラだ。タイムチャージ制をとる
事務所は東京に多いことから,全体の平均は3万3860円
ということだった)

だから,某事務所は,「一般に比して割安」ということでは
ないのだ。

で,記事をさらに読んでいくと,某事務所に「広島支店」
があるという。
「質の高いサービスをどこでも」と宣伝しているので,
どの弁護士が広島にいるのかとホームページを調べたら,
何と,今年1月に東京で弁護士登録(某事務所勤務)をし,
この3月に,広島弁護士会への登録替えをした人の
ようだ。

ぼくはその弁護士のことをよく知らないので,力量のほど
は分からない。
弁護士になった以上,1年目の人も10年目の人も
対等勝負だが,
ぼく自身,1年目は結構バタバタしたから,事務所に
弁護士一人で大丈夫かな?
と思う。

弁護士の使命は,基本的人権の擁護と社会正義の
実現である。
弁護士報酬に関して,消費者を騙すような宣伝を
してはならないこと,言うまでもないことだ。

弁護士の社会的評価を落とすことにならなければと,
心配である。

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