最高裁が判例変更、消滅時効と除斥期間の違い

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たまには法律の話も、、
ご存じの通り、7月3日(水)、最高裁判所は、
旧優生保護法下で不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、
被害者らが国に損害賠償を求めていた裁判で、
被害者らの主張を認め、国に賠償を命じた。

それを報じる日経新聞記事

その判決において、最高裁は、従来の判例を変更した。
民法724条の解釈適用を巡ってである。

724条
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、
時効によって消滅する。 不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

前段が「消滅時効」、後段が「除斥期間」と言われるものだ。
どう違うか?
「消滅時効」は、被害者が加害者にその主張(「援用」という)をして初めて効力が生じる(請求権が消滅する)のに対し、
「除斥期間」は、期間経過により当然に請求権が消滅する。
消滅時効は3年。除斥期間は20年、ということになる。

今までの最高裁判例は、被害者の損害賠償請求に対し、
20年(除斥期間)以上経過していることを理由に、その請求を退けてきた。
従来の最高裁判例を踏襲すれば、今回も、請求棄却になっていたはずである。
それを今回は、次のような従来とは異なる判断基準を示した。
「損害賠償請求権の消滅が容認できない場合には、裁判所は、除斥期間が経過したという主張
が信義則に反し、または権利の乱用として許されない、と判断できると解するのが相当だ。」

この新判断基準を今回は適用した。すなわち
旧優生保護法は、特定の障害者に対し不妊手術を強制するものであり、
個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反するものであり、憲法違反。
損賠賠償請求権の消滅は、信義則に反し、権利の乱用として容認できないとし、
被害者らの請求を認めたのである。

同紙

画期的判決だと思う、というか、当然の判決であり、遅きに失しての感もある。
この新判断基準は、国の政策によって被害を受けてきた多くの人々の救済に道を開く
ことになる、と思った。

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