当事務所(ぼく)が関わっている裁判の話を、ときには[exclamation]

当事務所の企業法務ページには「速報」として掲載したが、
http://www.hiroshima-kigyo.com/137/
1か月前の5月15日、広島地方裁判所において、
当方依頼会社が被った為替デリバティブ取引被害に関して、
利子を含めて約3億3000万円の損害賠償を認める
一部勝訴の判決を勝ち取った[グッド(上向き矢印)]
(現在、双方控訴し、控訴審係属中)

相手方は、最大手証券会社だ。
この為替デリバティブ取引(本件の場合)を、
簡単に説明する。

円とドルの一定のレートをあらかじめ決めておいて、
そのレートより円安になった場合は、相手方は
当方に対し、一定の金額を支払い、
逆に、そのレートより円高となった場合は、当方は
相手方に対し、上記金額の3倍の金額を支払うという
取引である。

しかも、これは毎月精算されるのだが、
5年間という長期にわたり、当方を拘束しつづけるのだ。
バクチに近い相対取引である。

しかも、まったく不公平で不透明な取引だ。

①相手方は、証券取引・為替動向分析のプロ、
  こちらは、ど素人である。
②同レートより円安になり、円安が進んだ(当方が
  勝っている)場合は、一定の段階で取引は終了するが、
  逆に、円高となった(当方が負けている)場合は、5年間延々と、
  相手方に対する支払いが続くことにもなってしまう。
③ それも、当方が勝っている場合に比べて3倍の金額で。
④ しかも、円高が続いて、当方がこの契約を解約したいと
  望むと、莫大な解約損害金がかかってしまう。
  が、その損害金の金額がどの程度になるかは、
  相手方が決定することになっている。

概略以上のとおりである。
この判決では、
取引が公序良俗違反として無効とすることはしなかったが、
大手証券会社が、解約した場合の損害金についての
説明義務を怠ったとして、
同社の責任を認定した。
他方、当方にも過失が7割あったとして、
当方に発生した損害額の3割を、相手方の支払額としたのだ。

すでに、平成24年2月24日大阪地裁判決では、
ほぼ同様の内容の事案(大阪産業大学vs野村證券)において、
野村證券の責任を認めたが、
大阪産業大学の過失を8割として、
野村證券に2割の損害賠償義務を認めていた。
今回の判決はこれを上回るものだ。

この勝訴判決は、当事務所が業務提携している
東京の本杉法律事務所と共同して取り組んだもの。
http://www.kinyu-torihiki.com/

本杉先生は、為替デリバティブ被害対策研究会を
http://www.kinyu-torihiki.com/834/
主宰しており、当事務所の弁護士も参加し、
日々研鑽を積んでいる。

為替デリバティブ被害に遭われている会社、個人は、
是非、当事務所まで、相談に来ていただければと思う。

今日は、まじめな仕事の話でした。
息抜きに、道端のあじさい(第2弾、2日前とは違う種類)[黒ハート]
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