この土日(12月11,12日)は、めずらしく自宅で過ごすことに
なったので、日曜日午後は、家族でショッピングを兼ねて、
ソレイユ(広島の大型ショッピングセンター)に行き、その中の
「バルト11」(映画館)にて、映画を見た
ぼくと妻は「ノルウェイの森」、13歳と6歳の娘は「ヤマト」
二手に分かれたわけだ。「ノルウェイの森」には「PG12」指定
がされていたし、内容的にも娘たちには早すぎるかなと思って。
さて、その「ノルウェイの森」について。
原作は、超有名な村上春樹の本。この度の初めての映画化も
超有名なので、ぼくごときが、評論すべきものではないが、
ぼくなりの羅列的な雑感などを少々。
この本、ぼくはまだ読んだことは無いが、妻は学生のときの
ゼミで取り扱ったことがあり何回も読んでいて、映画にも興味を
持っていた。
ぼくはといえば、映画の
背景が学生運動の盛んな1960年代後半(映画では確か
1967年といっていたような)であり、1971年大学入学のぼく
も学生運動に没頭していた時期があり、映画とその背景に
興味があった。
ということで、いっしょに見ることとなったのだ。
http://www.youtube.com/watch?v=frk_szGVw4o
全体的に見て結構重いなあ(正確には深いなあというべきか)
という感想を持った。
精神的にデリケートな妻がすすり泣いているのが感じられたから
少し心配だったが、見終わった感想を聞くと「(主人公の)ワタナベ
君が(周辺の人が自殺するなかで)何とか生きていくのが良かった」
とか。
ほっとした
映画の最初ころから、学生運動盛んな大学構内が映し出される。
様々な色のヘルメットをかぶった学生たちが、「アンポフンサイ
(安保粉砕)、トウソウショウリ(闘争勝利)」などと叫びながらデモ。
大学構内は闘争を呼びかける立看板だらけ。懐かしい風景だ
授業中に、数名の学生が入ってきて授業中の先生に、
クラス討論に切り替えることを要求する。これもよくやったなあと。
傑作なのは、その授業をしている教授の役を糸井重里氏が。
ぼくより数歳年上の糸井氏は当時は、デモをしていた学生の側
すなわち、クラス討論を要求していた側だったはず
性的描写は結構多くあった。この間見た映画ではダントツだった
ような気がした。この作品は生(と死)を問うものと感じたが、
生と性は密着した問題だから、当然といえば当然だが・・・。
登場する女性も、性に対して、受身ではなく積極的な姿勢が
描かれていた。女性が社会進出を積極化した時期とも重なる。
思い出したのは、当時、学生運動をしていた仲間の議論で、
女性活動家が言っていたこと。
男女の関係は「抱き、抱かれ」の関係ではなく、
「抱き、抱き」の関係であるべきだとか・・・
映画作品的には、ぼくは、菊池凛子の演技のレベルの高さに
圧倒された。彼女のことはあまり知らなかったが、さすが、
ここ50年間で、アカデミー賞にノミネートされた唯一の日本人
だけのことはある。菊池凛子は
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8A%E5%9C%B0%E5%87%9B%E5%AD%90
ともあれ、内容の充実した傑作映画であることに違いない。
一度見られることをお勧めする。
さて最後に、約20歳年下の妻がぼくと結婚するようになったのも
この「ノルウェイの森」の影響が少なからずあったことを一言。
妻と知り合った約15,6年前、妻の好きな音楽は、
ビーチボーイズやビートルズ(「ノルウェイの森」も)だった。
これらは、村上春樹作品の中に出てくる音楽だった。
そう、妻は、村上春樹作品を通じて、ぼくが生きた学生時代を
間接的に生き、それに共感を覚えていたようだったのだ。
村上春樹には、足を向けて寝ることはできない
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